997:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 13:02:14.67 ID:nQ4y3AGI0
遥かなる広がりを見せる外の景色を見ていると、窓から身を乗り出せば、何処まででも飛んでいけそうな気がした。だけど、それは単なる気のせいに過ぎず、実際にはそうはいかない。
今の私は、籠の中に放り込まれた鳥と同じ。柵の外に出たいと思っても、自力で飛び出すことは出来ない。この首に巻きついた忌々しき金属のリングのせいで。
藤木亜美は、窓の外の景色を眺めながら、深いため息をついた。
彼女は現在、ビルの周りを監視するという役割に就いている。猛曰く、ビル周辺に誰かが近づいてきたとしても、それにいち早く気づきさえすれば、なんとでも対策をとることが出来るとのこと。たしかに、近づいてきたのが敵だったとしても、その接近に早く気づけば、それだけ逃げるための準備時間を作ることも出来るだろう。だけど、いつまでもこうやって延命措置ともとれる行為を続けていたところで、状況が好転しはしない。
三日という定められた制限時間は刻々と迫る。そう、私に残された時間はもう三日も残されていない。このまま島から出ることができなければ、まだたったの十五年しか続いていない短い人生に、もうじき幕が下ろされてしまうのだ。
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