過去ログ - P「始原のiDOL」
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37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:38:01.31 ID:y8XKonFyo
 一方、部屋の隅で話をしていた律子は、電話を切って席に戻ろうとする。
 その途中、貴音の後ろに回ったところで、律子は彼女に耳打ちした。

「貴音」
「はい」

 静かに応じる貴音。
 彼女は両手を掲げるとぱんぱんと音を鳴らして打ち合わせる。

「皆さん、しばし耳目をお貸し下さいませ」

 なんだなんだと全員の注目が集まったところで、貴音が口笛を吹くように唇をとがらせる。

 そこから、音は出ていないように思えた。
 だが、人の耳が音ととらえられない何かが、聞く者の脳へと侵入する

 そして、かっと貴音の目が光る。

 見つめる者の大半の首が、がっくりと折れた。

 その目はうつろに開き、中には口の端からよだれを垂らしている者もいる。
 いずれも、意識はないように見えた。


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