過去ログ - マクロス・ノスタルジア
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13:>>1[saga]
2013/03/10(日) 13:01:59.61 ID:DZ1OCmmz0

 バトロイド。本来は地上での格闘戦用として開発された形態だ。

 この形態で激しい空戦を行うのは、キックバック機動よりはるかに難しい。

 推力ノズル、つまりは脚部の可動を少し間違えただけであらぬ方向へと推力ベクトルが向いてしまい、
 所謂"股裂き"のような状態になって墜落しかけるのは初期のテストパイロット達が何度も目にした光景だ。

 プルート1もこの形態での空戦機動は得意ではない。というより得意と言えるほど習熟した者は一人しか知らない。

 だが、その場で動かずに敵を待ち構えるくらいはできる。これが思いついた"賭け"の内容だ。

 コンソールを操作し、機体出力を操作する。VF-0の動力は、本来搭載されるはずだった新型エンジンが間に合わなかったため、
 従来のエンジンをフルチューンして使用している。

 この為、ファイターモードから変身する際の速度制限や、エネルギー転換装甲システムの使用制限などの問題を生み出してしまった。

 しかしファイターに比べて消費エネルギーの低いバトロイドならば、そうした出力の問題はクリアできる。

 エネルギー転換装甲が起動し、マニュピレーター格闘にすら耐え得る強度を獲得し、さらに――

(お前がいくら速くても、光速のレーザーは避けられまい!)

 真正面から相対し、敵の機銃をエネルギー転換装甲で耐えながらレーザーをぶち込む。

 無論、流石のエネルギー転換装甲も航空機に搭載されるような機関砲を食らってまで無傷とはいかない。

 だが、何発かは耐えられるはずだ。

 大気圏内でのレーザーは減退が著しく、かなり接近しないと効果は生み出せないが、その距離まで踏み込めるとプルート1は踏んでいた。

 敵機が回頭し、こちらに機銃を向ける。こちらも牽制にとマニュピレーターで保持したガンポッドをばら撒くが、
 敵機はまるでこちらの視線をジャックしているかのように射線をかわし、反対に機関砲を叩き込んでくる。

 こちらは大した機動ができない。申し訳程度にふらふらと左右に回避機動をとるが、ほとんど躱せずに鉛の牙が機体に食い込んでくる。

 激しい衝撃に身を揺さぶられ吐き気を覚えながらも、プルート1は歯を食いしばり敵の機体に視線を固定した。


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