843:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:37:06.62 ID:wSnSqwBi0
青山豪(男子1番)が結城緋鶴(女子19番)に殺害された後になる。
真中那緒美(女子16番)はE=06エリアにある小学校の、3年2組と書かれた教室の中の、机の1つに腰掛けていた。
ぼんやりと後ろの掲示板に貼られた絵を見ていた。
恐らくテーマは『友達を描こう』か何かだろう。
844:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:37:54.44 ID:wSnSqwBi0
曽根崎凪紗(女子10番)は小学校のある方角を呆然と見ていた。
設楽海斗(男子10番)も同じく。
誰かが必死に停戦を訴えていた。
それが、真中那緒美(女子16番)だと気付いたのは、彼女が自分の名前を口に出した時だった。
845:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:38:34.20 ID:wSnSqwBi0
C=07エリアにあるデパートの中では男子たちの忍んだ声が聞こえた。
他に何の音もしない為、それが懐中電灯の明かりしかない暗闇の中で響くように聞こえ、それを気にしてか、その声は更に小さくなる。
「でも…言えるか?」
846:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:39:14.76 ID:wSnSqwBi0
茂みの中に隠れていた設楽海斗(男子10番)と曽根崎凪紗(女子10番)は互いに顔を見合わせた。
偶然だった。
走ってきた2人の人物が、偶然にも凪紗たちの前で止まったので、とりあえず隠れて様子を見ていた。
その2人――周防悠哉(男子11番)と結城緋鶴(女子19番)はどうやら知り合いらしく、いけない気もしたが、隠れて話を聞いていた。
847:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:39:43.34 ID:wSnSqwBi0
そこを、1人の少年が歩いていた。
本来ならここにはいないはずの存在――転校生の周防悠哉(男子11番)。
転校生と言えば聞こえは良いかもしれないが、要はこのプログラムに自ら進んで参加しに来た志願者である。
元々は兵庫県神戸市にある中学校に通っている。
848:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:40:39.16 ID:wSnSqwBi0
その家のリビング。
その隅っこで、坂本陽子(女子7番)はガタガタと震えていた。
茶色に染めた髪も、部活で浅黒く焼けた肌も、少しヨレッとした夏服のブラウスも、赤黒く汚れていた。
親友の血の色だ。
849:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:42:14.98 ID:wSnSqwBi0
G=06エリアは住宅地の端にあたる。
曽根崎凪紗(女子10番)と設楽海斗(男子10番)はその中を1軒1軒覗きながら進んでいた。
凪紗の持つ探知機に、反応があった。
同じような場所に2つ、少し離れた場所に1つ。
「むぅ…全部反応はこの辺だよねぇ?」
850:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:42:52.69 ID:wSnSqwBi0
進藤幹也(担当教官)が大声で叫んだ。
後ろの方ではガタガタと席に着く音が聞こえるが、前の方ではほとんどが立ち尽くしていた。
設楽海斗(男子10番)は曽根崎凪紗(女子10番)を抑えたまま、呆然と栗原佑(男子7番)の死体を見つめていた。
851:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:43:29.62 ID:wSnSqwBi0
C=07エリアに聳え立つデパートの1階では、3人の少年少女がそれぞれやるべき事をしていた。
このプログラムを中止に持ち込むために。
作戦はいたってシンプルだ。
爆弾を作り爆破させ、本部ごと吹っ飛ばす。
852:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:44:08.68 ID:wSnSqwBi0
不破千尋(男子17番)は不敵な笑みを浮かべ、監視カメラの画面に背を向けた。
濱中薫(女子14番)がばっと振り返る。
「ちーちゃん!?」
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