849:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:42:14.98 ID:wSnSqwBi0
G=06エリアは住宅地の端にあたる。
曽根崎凪紗(女子10番)と設楽海斗(男子10番)はその中を1軒1軒覗きながら進んでいた。
凪紗の持つ探知機に、反応があった。
同じような場所に2つ、少し離れた場所に1つ。
「むぅ…全部反応はこの辺だよねぇ?」
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2013/07/10(水) 01:42:52.69 ID:wSnSqwBi0
進藤幹也(担当教官)が大声で叫んだ。
後ろの方ではガタガタと席に着く音が聞こえるが、前の方ではほとんどが立ち尽くしていた。
設楽海斗(男子10番)は曽根崎凪紗(女子10番)を抑えたまま、呆然と栗原佑(男子7番)の死体を見つめていた。
851:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:43:29.62 ID:wSnSqwBi0
C=07エリアに聳え立つデパートの1階では、3人の少年少女がそれぞれやるべき事をしていた。
このプログラムを中止に持ち込むために。
作戦はいたってシンプルだ。
爆弾を作り爆破させ、本部ごと吹っ飛ばす。
852:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:44:08.68 ID:wSnSqwBi0
不破千尋(男子17番)は不敵な笑みを浮かべ、監視カメラの画面に背を向けた。
濱中薫(女子14番)がばっと振り返る。
「ちーちゃん!?」
853:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:44:52.53 ID:wSnSqwBi0
千尋が認識した時には、既に悠哉の手にはコルト・ガバメントが握られており、弾が発射されていた。
弾は千尋の左腕に着弾し、思わず顔をしかめた。
悠哉はすぐに千尋に突っ込んでいき、左の拳を振るう。
顔面めがけて殴りかかってくる拳を、千尋は何とか腕でガードする。
千尋は悠哉の手を振り払い、ウージーを向け、引き金を引く。
854:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:45:32.60 ID:wSnSqwBi0
千尋は喧嘩歴はそれほど長くないし、格闘技をやってきたわけでもない。
しかし、素手の喧嘩では今までに一度しか負けた事が無かった。
それはとても小柄で可愛らしい女の子――曽根崎凪紗(女子10番)。
肉弾戦では負けるわけにはいかない…
855:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:46:27.34 ID:wSnSqwBi0
アスレチック公園の一部になるF=04エリアは、休憩所のような簡単なつくりの建物がある。
中にはベンチとゴミ箱と自動販売機しかない。
小南香澄(女子6番)はそのベンチの中の1つに腰掛けていた。
自動販売機を壊してジュースでも飲もうと思ったが、香澄にはそんな力はないし、電気の通ってない自動販売機の、生ぬるい賞味期限がいつかもわからないようなジュースを飲むのは気が引けたので、それは諦めた。
856:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:47:15.46 ID:wSnSqwBi0
姫川奈都希(女子15番)はF=07エリアにいた。
奈都希は幼馴染の濱中薫(女子14番)と共に、C=07エリアで稲田藤馬(男子4番)と斎藤穂高(男子8番)、そして不破千尋(男子17番)と共にプログラムを潰し逃げ出す為の作戦の準備をしていた。
しかし、とある事情で今は別行動をしている。
857:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:47:54.75 ID:wSnSqwBi0
奈都希は久尚の体を抱いたまま、ばっと振り返った。
銃を構えたそのクラスメイトの姿に、言葉を失った。
さらっとした黒髪に、可愛らしいがどこか毒のありそうな笑顔、華奢な体つき――美作由樹(男子18番)だった。
それなりに親しかった友人だった。
由樹は銃――S&W M36を下ろした。
858:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:48:24.68 ID:wSnSqwBi0
それをまじまじと見つめていた今岡梢(女子1番)は、自分の鞄をそっと線に当てた。
バチッという音がし、鞄の端が焦げた。
うっわぁ… 電流とか流れてんのかねぇ…
念入りだな、有刺鉄線張るだけで十分じゃん…
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