858:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:48:24.68 ID:wSnSqwBi0
それをまじまじと見つめていた今岡梢(女子1番)は、自分の鞄をそっと線に当てた。
バチッという音がし、鞄の端が焦げた。
うっわぁ… 電流とか流れてんのかねぇ…
念入りだな、有刺鉄線張るだけで十分じゃん…
859:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:50:03.57 ID:wSnSqwBi0
津田彰臣(男子13番)は今にも泣き出しそうな表情で、建物の屋上から下を見ていた。
下には、幼馴染だった伊達功一(男子12番)が倒れている。恐らく、もう息はないだろう。首が変な方向に曲がっており、頭の下には血が広がっている。自分が直接手を下したわけではない。功一が勝手に落ちた。自分は助けようとして手を伸ばしたが、届かなかった。――と割り切ってしまう事ができれば苦労はしない。オレがコウに怪我をさせなければ、コウは死ななかった…オレのせいだ…
彰臣は頭を抱えた。気が合わないとはいえ、掛け替えのない幼馴染を殺してしまった。その罪悪感は、彰臣の背中にずっしりと圧し掛かっていた。
860:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:51:27.11 ID:wSnSqwBi0
会場内に音楽が流れ始めた。
某人気アニメの初代オープニング曲だ。
「やあ、みんな、おっはよ?!担任のサトルだぜ!」
861:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:51:56.76 ID:wSnSqwBi0
「もしも、明らかにやる気になりそうにない人で
更に他の人のために自[ピーーー]るような人だったら、
死神を選んだ意味がないじゃない?
明らかにやる気になりそうな人が死神になったら
その人はがんばって10人殺そうとするし、
862:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:52:24.31 ID:wSnSqwBi0
今回のプログラムの会場の端、A=01エリアは森だ。
木が好き勝手に伸びているので、日の光も届きにくい。
そのため、他の場所より涼しく、避暑にはもってこいの場所だ。
そんな場所にいるのは真木頼和(男子14番)。
863:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:52:52.88 ID:wSnSqwBi0
居心地が良い場所だったので、離れるのは名残惜しかったが、そんなことを言っている場合じゃない。
ゆっくりと周りの様子を見ながら進んだ。
途中公園を通った。
地図でいうC=03エリア、様々な遊具がある。
864:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:53:21.51 ID:wSnSqwBi0
自分の手の中には銃(CZ M75)が握られている。
その銃口からはまだ煙が出ていた。
目の前には稲毛拓也(男子1番)が転がっている。
理由は簡単だ、彼の命を奪ったのは他の誰でもない、自分なのだから――
865:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:56:08.64 ID:wSnSqwBi0
一番最初に目を覚ましたのは佐々川多希(女子6番)だった。
あれ…? あたしは確か勉強合宿で……
周りを見て、多希ははっきりと目覚めた。
自分は錆びたパイプ椅子に腰掛け、木製の机に身を任せていた。
866:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:58:00.99 ID:wSnSqwBi0
「最初の人は……君だぜ! 男子12番、平野辰紀君!」
サトル(担当教官)の声に、平野辰紀(男子12番)の体がビクッと震えた。
マジかよ……何でオレ? 40人もいるのに何でオレなわけ?
867:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:58:50.46 ID:wSnSqwBi0
嫌だ!オレはまだ死なないんだ!
死なない、死にたくない!!
西田大輔(男子10番)は逃げた。
必死に走った。
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