過去ログ - 春香「これからのきみとぼくのうた」
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36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/16(土) 12:19:53.29 ID:bwJZNukvo
「……オリオン座は有名だけど、他は知らないんだよね」
「多分、あれがおおいぬ座のシリウス。そしてあれが、多分、こいぬ座のプロキオン」
「多分が多いぞ。自信を持って言おうな、春香」
「先生が送ってくれるって。帰ろうよ」
学校に行ったはずの先生と委員長が戻ってきた。
多分が多い……
頭がズキズキとしてきたので、人差し指でこめかみを軽く押す。
「本当に大丈夫か、春香?」
「……はい」
早く帰って休もう。
みんなに迷惑をかけているんだから、さっさと立ち上がって歩いていこう。
そうすれば、時間と共に痛みを忘れられる。
時間が経てば……自然と……この胸に空いた穴も埋まっていくのだろう……
――それでいいのかな?
忘れてしまってもいいの?
夢半ばで彼の人生は閉じてしまったんだよ?
私に出きること、いっぱいあったはずだよね?
あるはずだよね?
彼の夢を受け継いで、目的を忘れずに進むべきなんじゃないの?
「……っ」
幾つもの問いに答えが見つけられず、頭をズキズキと締め付けていく。
また、しずくが頬を伝い、地面に流れ落ちた。
両手で顔を覆って、大きく息を吐く。
私の傍に居てくれる三人に申し訳ない。
「……ごめんね……」
やっと出た言葉は、涙声となり、相手に届いたのかさえ分からなかった。
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