10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/17(日) 16:49:06.92 ID:AFo+xz7J0
そこからはどうやって家に帰ったのか覚えていません。
適当にふらふら歩きながら帰ったんだと思います。
帰ったらただいま、それだけを伝えて自分の部屋に戻りました。
淡いピンク色をした、ナナには少しだけ大きなベッドに横になりました。
あたまもとにはたくさんのぬいぐるみ。小さな頃から集めていました。
嫌なことがあったとき、寂しいとき。そっと抱いて寝た記憶があります。
もうすぐしたら受験も近づいてくるのに。
首だけを回して、勉強机を見ました。
並べられた参考書、ノート。どれも小さな付箋を張っていて、女の子らしい字でメモをして。
机の脇には飲みかけの紅茶の紙パックが置いてあって。
勉強をしなければいけないのに。そう思っても、机に座ることはありませんでした。
…そうじゃない、かも。座る気になれなかったから、座らなかっただけ。
ナナに与えられていたのは権利でした。義務ではなくて、権利。
高校を卒業して、就職することも、進学することも自由だったわけですから。
あの2冊の雑誌を思い出しました。
ナナはアイドルになりたい。でも、失敗することが怖い。
かと言って、大学へ行って目標があるわけじゃない。
ああ、どうしたらいいんだろう。
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