過去ログ - 直通電車 -Direct to the Ground- 【第三次投下】
1- 20
11:羽衣真砂 ◆hsUAEn/JO/Q.[saga]
2013/03/27(水) 10:02:16.14 ID:REoDSsoc0
第一章 市電川合津 Shiden-Kawaizu


ある日の朝8時半頃の光景。

「おーっす、ヒロ。今日は寝坊した?」

「だからいつも寝坊してるみたいな聞き方するな」

「今月寝坊した回数を質問する」

「1回もしてねーよ」

「では乗り過ごした回数を質問する」

「…かなりあるな」

「そういえば、西行の電車を10回乗り過ごすと」

「それこの前聞いた」

ヒロ、遥、ツルヤス。
この3人はとても仲が良く、始業前や休み時間によく話している。
窓際先頭がヒロ、その後ろがツルヤスの座席。
遥はヒロの2つ隣なのだが、3人で話すときはツルヤスの机の右側にポジションを取っている。

このように仲の良い3人が話していると、必ず気まずくなる人がいる。
ヒロの右隣の座席、青木さくらである。
彼女は席を立とうと考えているが、トイレには先程行ったばかり。
短時間に二度もトイレに行くのは不自然だろう。

「そういえば、1日に1本だけ、目に見えない透明な電車が走ってるって」

何かに夢中になっていると、周りが見えなくなるのが人間である。
会話に夢中になっている3人は、青木の苦悩には気付かない。

そうこうしているうちに、8時45分、ホームルーム開始を告げるチャイムが鳴った。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
116Res/73.31 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice