過去ログ - 勇者「王様が魔王との戦争の準備をしている?」 2スレ目
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14: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/20(水) 01:47:53.87 ID:3mmpyc380

 つまり、最大であと四発のマダンテがやってくる。
 そして、それに耐えれば勝てる。

 ……勝てる?
以下略



15: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/20(水) 01:48:22.93 ID:3mmpyc380

 ……要は、わしとクレイアがくたばらなければいいだけの話。
 我慢の先にある勝利が、微かにだが、見えてきたではないか。

ハーバンマーン「ジャライバ、メラゾーマの連打だ! 少しでも削るぞ!」
以下略



16: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/20(水) 01:48:57.45 ID:3mmpyc380

 目の前で戦っていた兵士が顔面を焼かれて倒れた。その背後から二人は二手に分かれ、満足に動かない体を何とか動かしながら、九尾を背後から切りつける。
 九尾の反応はいまだ十分に早いが、当初の神速からは程遠かった。剣ごとビュウの右腕を切断し――ポルパのほうまでは文字通り手が回らない。体勢を逸らしてなんとか回避した。

 ビュウの呻き声。一瞬ポルパがそれに気を取られた隙に、一歩九尾は後ろへ跳んだ。
以下略



17: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/20(水) 01:49:44.44 ID:3mmpyc380

 九尾は上空へと逃げた。そこへ槍がまたも投擲され、九尾の脇腹を掠ってゆく。
 バランスを崩した九尾へと、またもメラゾーマの雨。仕方がなしに障壁を唱えながら、足元にいったん力場を生み出し、緊急回避的に集団から距離を取る。

九尾「行きつく暇も――」
以下略



18: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/20(水) 01:50:16.16 ID:3mmpyc380

ビュウ「右手はなくても左手があるっ!」

 誰も彼もが倒れ伏した中で、唯一彼だけが走っていた。
 力場を大きく踏みしめて、左手で剣を持って。
以下略



19: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/20(水) 01:50:46.89 ID:3mmpyc380

 肩口に剣が食い込んで、腕を切断することはなかったが、確かに乳房まで傷が達した。

 九尾がぐらつく――踏みとどまる。

以下略



20: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/20(水) 01:51:14.79 ID:3mmpyc380

 しかし、今、なんて言った?

 アルス、と。
 この弟子は言ったのか?
以下略



21: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/20(水) 01:51:40.73 ID:3mmpyc380

 わかったものではない。あぁそうだ。わかったものではないからこそなお恐ろしいのだ。何がどうなるのかわかっていれば対処の仕様もあるものを。
 ……魔王と化したあやつ相手に、本当に対処の仕様があるかは、甚だ疑問であったが。

 九尾は力場に直立したまま、ふん、と鼻を鳴らした。
以下略



22: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/20(水) 01:52:22.25 ID:3mmpyc380

 しかし不思議と絶望はなかった。なぜなら、九尾が戦闘態勢に入っても、まだ兵士たちは戦闘態勢に入っていなかったからだ。
 生き残った兵士総勢一四八名は、全員がわしのほうを見ていた。九尾などには目もくれず。

 おかしな話であった。本来戦闘を放棄するはずもない彼らが、戦わないのだ。しかも臨戦状態に入った九尾を目の前にしても。
以下略



23: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/20(水) 01:52:51.18 ID:3mmpyc380



 笑いが零れる。涙が零れる。
 あぁ、眼が、頬が、頭が、熱い!
以下略



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