10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/20(水) 07:14:40.07 ID:JgG2c98Wo
「はぁ……」
晩御飯を買った帰り道に深く響くため息。
最近は少し増えてきた気がする。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/20(水) 07:17:05.25 ID:JgG2c98Wo
「今日は暖かいな……」
11月とはいえ東京は青森に比べると大分と暖かい。
必要以上に厚着をしてしまう習慣が抜けずに少し暑く感じる。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/20(水) 07:19:44.07 ID:JgG2c98Wo
「いえ、財布。落としてましたよ」
慌ててポケットを弄るとそこにはあるはずの財布が無い。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/20(水) 07:22:00.75 ID:JgG2c98Wo
「へぇー、青森から上京してきたんだ?」
アタシは自分の身の上をありったけ話した。
男の人は何も言わずに黙って聞いていてくれる。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/20(水) 07:24:30.63 ID:JgG2c98Wo
「じゃあ、俺はそろそろ行くとするよ」
気がつけば話し始めて1時間を過ぎようとしていた。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/20(水) 07:26:43.31 ID:JgG2c98Wo
数日後、アタシは再びオーディション会場に来ていた。
今日も天気は悪く一日曇りみたい。
見上げると東京にきてから何度も見ている灰色の空が広がっていた。
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2013/03/20(水) 07:28:25.99 ID:JgG2c98Wo
「本日はオーディションを受けに来て頂きありがとうございます」
「…………」
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2013/03/20(水) 07:30:10.42 ID:JgG2c98Wo
「では、ダンスか歌か何かアピールをしてもらえるかな?」
瞬間、身体が強張る。
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2013/03/20(水) 07:36:58.45 ID:JgG2c98Wo
「……うん、それくらいで良いかな」
泣きそうな気持ちを堪えながらうなずく。
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2013/03/20(水) 07:40:05.98 ID:JgG2c98Wo
「君のダンスは良くできてる、でもそれはコピーとしてだね」
プロデューサーが沈黙を破り喋り始める。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/20(水) 07:42:16.13 ID:JgG2c98Wo
真剣な顔をしてプロデューサーがアタシを見る。
もはや気分は戦意喪失状態だった。
落とすならスッパリと落として楽にしてほしい。
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