過去ログ - モバP「天才発明家・池袋晶葉は揺らがない」
1- 20
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/22(金) 12:16:21.24 ID:2VWMQUCT0

その記事は大きく世間を揺るがした。
翌日のメディアの報道はほぼそのニュースで賑わっていた。
世界的な企業との契約をその場で白紙にしたのだから。

その日から来る日も来る日もプロダクションにまで電話があった。
当然、メディアは詳細を知りたいからだ。おもしろいネタになる、そう踏んだのだろう。
俺と共にアイドルを支えているちひろさんも連日の事務対応に追われていた。

はい、はい。その件に関しましては、お答えすることは。

契約を白紙にされて、損害を補填された企業からも、毎日、電話がかかってきていた。
池袋晶葉は天才だ。その才能をもう一度貸してほしい。あのような事があったことは我が社の落ち度だ。
老齢の、けれど世界的企業のトップの社長すら、自ら電話をとり、謝罪を繰り返した。

稚拙な人の悪意だけを載せた記事を書こうとした雑誌記者も、メディアの視線にさらされた。
さらにその雑誌社のスポンサーも次々と降りている。数ヶ月もしないうちに潰れてしまうだろう。
あの雑誌記者が表に戻ってくることはもう二度と無いだろう。裏ですら、生きていけるのだろうか。

その反面、彼女も当然、世間の話の種になっていた。
そこまで彼女が激怒した原因は何なのか、なぜそこまでアイドル活動に思い入れがあるのか。
世間の誰もがそれを尋ねたが、彼女の口が開くことはなかった。

そして、プロダクションは日々あまりにも忙しなく対応に追われ、
他の所属しているアイドルにも矛先が向いたというのに、誰も彼女を責めなかった。

彼女らにとって、それは当たり前の事だった。
日々取り組んでいる仕事。表面上では笑顔で仕事をしていて、楽しいだけの仕事と思われている。
だが、その裏では血の滲むような努力、アイドルになるまでの確固たる決意がある。

プロデューサーや事務員もまた、それを知っているのだから。

そんなある日、彼女はプロデューサーを呼び出した。
とても大事な話があるから、そう前置きをして。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
93Res/90.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice