106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 00:56:37.70 ID:7LnCOhGJ0
「小学生の時からってことは、結構長生きなんだな、カモ先生」
プロデューサーは、指で年数を数えた。
仮に小学1年生から今日までとすると、9年か。
「ミキね、知ってるの。カモの寿命は3年か4年くらいなんだよ?」
「―――あ、そう」
それ以上追求するのは止めて、プロデューサーは別の質問に切り替えた。
「ところで、何であのカモが先生なんだ?」
「カモ先生は偉大なの」
鼻息を荒くして、美希は語った。
「だって、寝たまんまでも、プカプカーって浮いてられるでしょ?
ミキもそうやって、なんにもしないで、ラクに生きていけたらいいなーって」
なるほど、とプロデューサーは相槌を打った。
美希がマイペースな理由が分かった気がする。
「でも―――」
美希は、高欄にもたれた腕の中にあごをうずめた。
「なんにもしないのって、つまんないの。
ラクに生きるって、何なのかな」
そう言って、美希は物憂げにカルガモを眺めた。
「何もしないってのは、なかなか難しいもんさ。何でだと思う?」
プロデューサーの問いかけに、美希は顔を上げた。
「あ、いや、期待されても困る。何も気の利いた事なんて言えないけどさ」
プロデューサーは慌てて手を振った。
「でも、あのカモ先生だって、生まれた時から何もしないで浮かんでいたと思うか?」
「カモ先生が子供連れてるのは見たことあるよ?
チョコチョコーッて先生の後を一生懸命ついてて、かわいかったの」
「そうだな。子供は先生についていくのも必死だったんだろう」
「えっ?」
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