143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 02:09:39.73 ID:7LnCOhGJ0
「どうやら、軽度の脳梗塞だったようだ」
高木は、言葉を慎重に選びながら、ゆっくりと皆にプロデューサーの症状を説明していた。
「しばらくは手足に痺れが残るとのことだが、重篤の患者に見られるような精神障害は無い。
今日は、直接彼と話をすることができたが、話し方も落ち着いていて問題は無かった。
幸い、高次機能障害といった類も表れていないようだ。
三ヶ月は骨折の治療のために入院が必要だが、その間点滴を打てば脳梗塞もひとまず落ち着くだろう、とのことだよ」
高木の説明に、皆は一様に大きく息を吐いた。
思っていたよりも軽い症状のようであるというのが、大いに皆を安心させたようだった。
「皆を騒がせてしまったと、彼は寝ながら私に頭を下げていたよ」
「そんな、謝ることなんて――!」
春香は声を荒げた。
あの日、電車が止まっていたために、春香は病院へ向うことができなかった。
千早から当日の様子について連絡を受けるまで、彼女は家でずっと携帯を握り締めていたのだ。
「あぁ、まったくだ――謝るのは私の方だ。
彼に負担をかけさせてしまった」
そう言って深々と頭を下げる男に、アイドルの皆は何も言う事ができなかった。
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