133:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 01:48:43.33 ID:7LnCOhGJ0
病院に着いた律子は、受付でプロデューサーが搬送された部屋を尋ねた。
救急処置室、という物々しい名前が、ますます律子を不安にさせた。
部屋の前には、小鳥と高木、雪歩が待っていた。
「何があったんですか? 状況は」
134:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 01:51:24.23 ID:7LnCOhGJ0
「何で、すぐに見つける事ができなかったんですか?」
「―――すまない」
「私は理由を聞いているんです!」
律子は、自分の中にある不安を誰にどうぶつければ良いのか分からなかった。
135:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 01:54:27.79 ID:7LnCOhGJ0
「頭部の外傷は、3針程度縫うだけのもので大した事はありません。
骨折は右腕と右下腿の2箇所。まぁ、三ヶ月はかかるでしょう」
レントゲン写真等を見せながら、医者は簡単にプロデューサーの症状を説明した。
意識が戻らない原因は何なのか。
136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/03/24(日) 01:57:17.36 ID:1jmKxVg5o
つーか下手したらPが運転中に発症してアイドルごと事故の可能性もあったなこれ。
137:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 01:58:08.56 ID:7LnCOhGJ0
「過労から倒れたのだろう、とのことだ」
病室に戻ると、高木は医者から聞いた説明のごく一部をかいつまみ、小鳥達に話した。
しかし、それだけの説明で彼女達が納得できるはずがなかった。
「意識を失った直接の原因って、何ですか?」
138:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 02:01:25.17 ID:7LnCOhGJ0
再び、雪歩の体が震え始めた。
今度の震えは、悲しさからではなく恐怖によるものだった。
自分のせいで、プロデューサーを大変な目に遭わせてしまった。
彼を慕っていたアイドルの皆から、どれほどの非難を浴びせられるかを雪歩は想像した。
139:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 02:03:19.98 ID:7LnCOhGJ0
雪歩に促され、美希以外の者達は部屋を出た。
皆、部屋の中の張り詰めた空気から解放された気分になったのか、一様に大きくため息をついた。
「少し、一服してくるよ」
高木はそう言って、席を外した。
140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 02:05:04.61 ID:7LnCOhGJ0
雪歩は、その場から後ずさりしていた。
自分は、何という勘違いをしていたのだろう。
自分が頑張れば、事務所も明るさを取り戻せるとばかり考えていた。
救世主にでもなろうとしたのか?
141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 02:06:45.53 ID:7LnCOhGJ0
「―――そうか、分かった」
大手芸能事務所、961プロの社長である黒井祟男は、社長室にて受話器を握っていた。
「――素人めいた言葉を吐くな。嫌ならこの事を明るみに出してみるがいい。
その時、貴様らは今の仕事を続けられると思わんことだ」
142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 02:07:47.80 ID:7LnCOhGJ0
【7】
雪歩が事務所に来なくなって、もう一週間になる。
その夜、真はたるき亭ビルの屋上にいた。
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