196:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 03:58:56.00 ID:7LnCOhGJ0
若頭が車に戻り、運転席のシートベルトを締めた。
「お嬢は、ご自分で会場に向かわれるとのことです」
「そうか」
後部座席から、雪歩の父の低い声が聞こえてきた。
「あの子も、懸命に自立しようとしているのかも知れんな」
若頭は、バックミラー越しに見える雪歩の父を見た。
窓の外を眺める男の顔は、少し寂しそうに見えた。
「――お屋敷に戻ります」
若頭は、車のエンジンをかけた。
「いや、いい」
雪歩の父は、若頭を制した。
「会場に向かってくれ」
「あの子が目指したものが何であったのか―――親として、見届けたくなった」
雪歩の父の言葉に、若頭は短く返事をした。
車は日光街道をひたすら南下し、日比谷へと向かった。
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