22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 21:27:42.17 ID:sFFUNv8Z0
【2】
突然、律子がレッスン室に連れてきた少女を見て、雪歩の心臓は大きく高鳴った。
星井美希と名乗るその少女は、つい先日、電車の中で雪歩達を助けた子であった。
二日ぶりの再会でも、彼女の姿は雪歩の瞳の奥にまぶしく映った。
あの日のお礼を言わなくては―――
そう思いながら、掛けるべき言葉が思い浮かばずにまごついていると、律子から一度ダンスを通しで行うようにと言われた。
今日レッスン室にいたアイドルの中で、自分だけまだ自己紹介も済んでいない。
雪歩は言われるがまま配置についたが、とてもダンスに集中できる心境ではなかった。
案の定、踊り終えると、律子から振りが小さく縮こまっていることを指摘された。
いつも言われる事なのだが、どうしても直らない。
普段の自信の無さが、ダンスにも現れてしまうのだった。
そして驚いたのが、美希の才能である。
何せ、自分が練習によってようやく通しで踊れるようになったダンスを、あの少女は一度見ただけで覚えてしまったのだ。
一緒に踊ろうという春香の提案に渋る美希へ、雪歩は自分の靴を差し出した。
私も、美希ちゃんのダンスをもっと見てみたい。
普段は真のダンスに見とれるのだが、今日の雪歩は美希のたどたどしいダンスに終始目を奪われていた。
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