21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 21:25:21.04 ID:sFFUNv8Z0
何となく予感はしていたが、すぐに律子のそれは的中した。
美希は、ボーカル面でも抜群の歌唱力を見せた。
声の質も歌い方も、聞いている人を楽しませ、高揚させる不思議な華がある。
先ほどのダンスも、練習こそ十分でないためにたどたどしかったが、もし十分な練習期間を設けて磨き上げたダンスに、この歌唱力が合わされば――!
「お疲れ様。良い歌声だったわ」
千早は、賞賛の言葉を述べながら、美希に水を渡した。
「そういえば、さっき踊った後も水飲んでなかったから、喉がカラカラなの」
美希は、千早から手渡されたコップを持つと、一息に飲み干し、ふぅと息をついた。
「でも、アイドルって大変だね」
ダンスを終えた時と同じように、美希が疲れた様子で言った。
「そんな事無いわ。あなたは十分やれるわよ、自信を持って」
こんな所で、金の卵をみすみす逃す訳にはいかない。
律子は、何とか美希を引き止めようと必死になった。
「ううん、別にやりたくないって言うんじゃないの。
でも、ミキ的にはもうちょっとのんびりアイドルやりたいって思うな」
どうやら、レッスンに連れて来たのは間違いではなかったらしい。
見返してやる事はあまり出来なかったが、アイドルに興味を持たせる事には成功したようだ。
欠伸をしながら答える天才を見て、律子は何とかしてこのじゃじゃ馬をトップアイドルへと導かなくてはと思った。
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