29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 21:41:23.45 ID:sFFUNv8Z0
「ううん、いいよ。美希ちゃんだって、この間律子さんと私のことを助けてくれたんだから」
雪歩は、これまで言えなかったことをようやく美希に言うことができた。
「何が?」
「この間、美希ちゃん電車の中で男の人達と少しトラブルになっていたでしょう?」
「あぁ」
一瞬、合点がいったという表情を見せた後、すぐに美希は首を傾げた。
「何でそれがありがとうなの?」
「美希ちゃんが来る前、律子さんと私が、あの男の人達とちょっと――」
「えーっ、ひどい!」
自分も携帯を乱暴にされた事を思い出したのか、美希は怒った様子を見せた。
「だから、美希ちゃんがあの男の人達を追い払ってくれて、ありがとうって」
「追い払ったのは他の人達だよ?」
「ううん、美希ちゃんのおかげだよ」
ふーん、と一応納得した様子を見せて、再び美希は雪歩に話しかけた。
「まだちゃんと自己紹介してなかったよね? 星井美希なの!」
「あっ―――は、萩原雪歩ですぅ。じゅ、17歳」
「えっ、17歳? ミキより三つも年上なんだ、じゃあお姉ちゃんなんだね」
予想外の呼び名に一瞬ドキッとして、雪歩はうろたえた。
「あっ、でも雪歩はあまりお姉ちゃんってカンジしないから、やっぱ雪歩でいいの」
どこまでも、この子は自由に物事を考えるんだなぁと雪歩は思った。
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