30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 21:43:16.62 ID:sFFUNv8Z0
「雪歩も、トップアイドル目指してるの?」
美希が雪歩に問いかけた。
唐突な質問に、雪歩は少し戸惑いながらも返事をした。
ふーん、と少し視線を外した後、また雪歩の目を見て美希は尋ねた。
「何で?」
そう言えば、アイドルを目指す理由は、他の人にちゃんと話した事は無い。
特に隠す理由も無いのだが―――。
「私って、ダメダメだから、ちょっとでも自分を変えたいなぁって」
「ダメダメなの?」
うーん、と雪歩の顔をまじまじと見つめた後、美希は不思議そうに言った。
「こんなに練習してる人がダメダメなのかなぁ」
「ダメダメだから、練習しないといけないんですぅ」
「すごいなぁ」
何がすごいというのか。雪歩は美希の言葉の意味が分からなかった。
だが、美希は皮肉でも何でもなく、素直に雪歩の努力する姿勢を賞賛したようだった。
「ミキ、今まで何かに一生懸命になった事ってないの。
だから、雪歩や皆みたいに、一生懸命やってる人ってすごいって思うな」
何でもできちゃう美希ちゃんの方がすごいよ、と雪歩が言い返すよりも早く、美希は時計を確認して難しい表情を見せた。
「今日はパパとママが早く帰って来る日だから、ミキも早く帰ってきなさいってお姉ちゃんに言われてるの」
それじゃあね、と言い、美希は手を振りながら部屋を出て行った。
一人残された部屋で、雪歩は、そろそろ自分も帰らないといけない時間であることを自覚したが、もう少しだけ粘ることを決めた。
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