3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 20:48:34.43 ID:sFFUNv8Z0
【1】
さっきから電車内の騒がしい声を我慢していた律子の鼻先に、タバコの煙が漂ってきた。
煙の元は、優先席に座っている三人組みの男達だった。
京浜東北線の電車内で大声で話すだけでもマナー違反なのに、喫煙までするなどもってのほかだ。
挙句、目の前に老婆がいながら、その男達は彼女に席を譲ろうともしないのだった。
周囲の乗客は、彼らに対し無視を決め込んでいるようだった。
しかし、律子は男達を睨みつけた。
アイドルのプロデューサー、すなわち指導者という職業的な立場もあったが、それよりも一人の乗客として許せなかったのだ。
隣にいた雪歩は、不吉な予感を察知し、何とか律子の気を逸らそうとするが、あまり良い方法が浮かばずにうろたえている。
やがて、彼らの一人が律子の視線に気がついた。
男達は互いに目配せをした後、タバコを床に捨てて席を立ち、ニヤニヤしながらゆっくりと律子達の方へと近づいてきた。
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