31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 21:49:37.98 ID:sFFUNv8Z0
TBKテレビ局は新橋にあった。
品川へ向かう時と同様に第二京浜を北上し、虎ノ門の交差点を右折する。
翌日、プロデューサーはあずさと雪歩、美希を車に乗せ、オーディション会場である同局へ向かっていた。
今日は、あずさがエントリーした音楽番組のオーディション本番であり、雪歩と美希は付き添いである。
当初は雪歩だけが付いていく予定だった。
しかし、美希にも見せておいた方が良いという、事務所の社長である高木順二朗の一声もあり、昨日決まったとのことだった。
テレビ局に着くと、美希は番組のパンフレットを手当たり次第に手に取っていった。
テレビを見るのはそれなりに好きなようであり、美希は楽しそうに雪歩達に話した。
「この番組、ママが毎週録画しているの」
「この時間は、お姉ちゃんとリモコンの取り合いになって、いつもミキが負けちゃうの」
しかし、当のあずさは浮かない表情をしていた。
緊張もあるが、先日から体調を崩していたのだ。
昨日も、春香のクッキーにはあまり手をつけず、しきりに咳き込みながら辛そうにソファーにもたれていたのを雪歩は記憶していた。
「ミキ、悪いことしちゃったかな」
雪歩がその事を話すと、昨日無遠慮にあずさに抱きついてはしゃいでいた自分を思い出し、美希はうなだれてしまった。
「ううん、仕方ないよ。それに、そんな事で嫌がる人じゃないし、今日だって大丈夫、だと思う」
雪歩はそう言って美希を励ましたが、内心はなかなかトイレから出てこないあずさが心配だった。
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