44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:17:40.67 ID:sFFUNv8Z0
「もし、萩原雪歩」
穏やかで丁寧な声に、雪歩は振り向いた。
見ると、貴音が湯のみと急須を持って立ちつくしている。
「響にお茶を淹れてあげたいのですが、お茶っ葉はどこにあるのでしょう?」
普段の厳かな立ち振る舞いから、まるでファンタジー世界の女王のような気品を感じさせる貴音に、雪歩は美希や真とは違う種類の憧れを抱いていた。
その貴音が、湯のみと急須を持ってウロウロしている姿はどことなくミスマッチであり、雪歩は思わず笑ってしまった。
「いえ、すみません。お茶はこっちの棚ですぅ」
私が淹れますからと、雪歩は貴音をソファーに案内し、急須と茶筒を持って給湯室へと向かった。
やかんに水を入れ、火に掛けると、ソファーの方から響の元気な声が聞こえてきた。
「貴音ぇー、助けてよー。美希のせいでお茶を飲みに行けなくて困ってるんだ」
「案ずる事はありません、響。今、萩原雪歩がお茶を淹れて下さいます」
「えっ、ホント? それは嬉しいさー」
「良かったね、響」
「元はと言えば、美希が自分の髪を放さないのが悪いんだぞ!」
「では、話がまとまったところで私も」
「止めろー、貴音ー! ていうか全然話まとまってないぞー!」
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