過去ログ - 美希・雪歩「レディー!」
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52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:34:22.98 ID:sFFUNv8Z0
「ちょっと待つの」
 美希が突然ジュピターに言い寄った。

「レベルの低いダンスを見せてるのは、そっちだって同じじゃないの?」
 美希はそう言うと、突然その場でメロディを口ずさみながらステップを踏み始めた。

 ジュピターは衝撃を受けた。
 なぜなら、美希のそのメロディとステップは、先ほど披露したばかりの『Alice or Guilty』のサビだったからだ。
 まさか、もう覚えたというのか。
 翔太がそうしたように、美希はハイキックとバク宙を華麗にこなし、冬馬を指差してキメポーズを取った。

「えっ、うそ? 今回見たのが初めてだよね?」
「いいや、俺達の出てる番組をコイツが見ていた可能性もあるぜ。
 ローカル局ばかりだが、俺達もそこそこテレビに出してもらえるようになってきたからな」

 翔太と冬馬が、美希の芸当の謎を必死に推理している。
 美希は、さも得意気に言ってのけた。
「ジュピターなんて、見たことも聞いたこともない人達のダンスを知ってる訳ないの」

「信じられない。765さんは、素晴らしい逸材を発掘しましたね。
 まるでアイドルになるために生まれてきたかのようだ」
 961のコーチは、これにはお手上げと言った様子で美希を評価した。

「彼女が今後しっかりと経験を積めば、きっとジュピターとの勝負も良いものになるでしょう。
 大いに期待しております」
「いえ、とんでもございません。ありがとうございます」
 予想外の賞賛を受け、律子は恐縮しながら頭を下げた。

 美希は、見たかと言わんばかりにジュピターを睨んでいる。
 ジュピターは、何も言い返してこなかった。



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