73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:19:23.35 ID:sFFUNv8Z0
「う、嘘だよね?」
雪歩は思わず少し大きな声で聞き返した。
「ううん、本当だよ?」
美希は平然と返した。
美希に会うのは二週間ぶりだった。
あのオーディションが終わってから、美希はバッタリと事務所に来なくなった。
事務所のメンバーが携帯に電話すると、気の無い声で「明日は行くの」と返事はするものの、結局顔を出すことは無かった。
夏休みも明け、学校の帰り道に待ち伏せして、今日ようやく雪歩は美希を捕まえることができた。
しかし、美希はいきなり「アイドルを辞める」と言い出したのだ。
「何で、そんな事を言うの?」
雪歩はまだ、美希の言う事が信じられなかった。
悪い冗談であってほしかった。
「別に、何となく。もう飽きちゃったの」
めんどくさそうに、美希は答えた。
雪歩は全く納得できなかった。
「オーディションに負けちゃったから? 皆、レベル高くてビックリしたよね」
「そんなの関係ないの。ただ、別に続けてても面白くないし」
「それは、続けてみなくちゃ分からないんじゃないかなぁ、って―――」
「律子もそうだけどさぁ」
美希は、苛立ちを隠そうとしなかった。
雪歩の顔が引きつった。
「雪歩は何様なの?
だってミキ、一度も自分からアイドルやりたいなんて言った覚えないんだけど」
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