8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 20:57:10.42 ID:sFFUNv8Z0
少女は、男が投げ捨てた携帯を手に取った。
そして、角についてしまったキズを見てガッカリした後、再び元の席に腰を下ろした。
「お嬢ちゃん、ありがとうねぇ」
つまらなそうな顔をしていた少女に、隣に座っていた老婆が優しく声をかけた。
「あの人達、騒いだりタバコ吸っていたりして、皆迷惑していたんだけれど、いざってなるとなかなか注意する勇気が出なくて」
「ミキ、ありがとうって言われるような事した?」
「えぇ、そうね。私達が注意しようって思うきっかけを作ってくれたわ」
「んー、良く分かんないけど、こちらこそ助けてくれてありがとうなの!」
少女は元気良く老婆に返事するとその場に立ち上がり、車両の端まで届くよう他の乗客に向かって再びお礼の言葉を述べた。
その後、車両に拍手がポツポツと鳴り響いたのだった。
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