12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/25(月) 22:24:56.87 ID:MY2yL6du0
(わ、わぁ?! すごい金額!)
ATMに表示されている銀行残高を見て、アリサは驚愕の声を上げた。
(そうか? あまり使ってないしな。ところで、カラオケというのはいくら位かかるんだ?)
(うーん、一人なら千円あれば十分だと思うけど)
(随分安いな。まあ、いくらか余分に持っていったほうが無難か)
ATMを操作してお金を取り出し、銀行を後に。
第七学区を出歩くことがあまりないシャットアウラは、アリサの案内を頼りに、街を歩いた。
闇に近い側に身を寄せていたシャットアウラにとって、街はあまりにも平和だった。
あれはなんの店だろう、あれはどういった食べ物なんだろう、そんなふうに一面を眺めながら、そういえばあの日まではこうして店を眺めて歩くことすらしていなかったな、と思いふけっていた。
(シャットアウラちゃん、ここだよ!)
ふいにアリサに呼ばれて、シャットアウラは我に返った。
危うくカラオケ店を通り過ぎるところだった。
随分視覚的にうるさい店だな、と思いながら、店に入る。
「いらっしゃいませ。ご利用はお一人様ですか?」
「あ、ああ」
「プランはいかが致しましょう」
「プラン?」
シャットアウラはカラオケ店に入るのが初めてなため、何もわからずに困惑してしまっていた。
そこに、アリサがフォローを入れる。
(シャットアウラちゃん、二時間ドリンクバーでいいんじゃないかな?)
「じゃあそれで」
「はい?」
「あっ、いや、二時間ドリンクバーで」
「かしこまりました。それでは、お部屋は17番になります」
「ど,どうも……」
店員から伝票とマイクが入ったかご、ドリンクのコップを受け取ると、適当な飲み物を入れて、そそくさと17番部屋に入っていった。
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