13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/25(月) 22:25:42.76 ID:MY2yL6du0
部屋はいかにも少人数用の手狭い感じだった。
なんとなく気恥ずかしいので、ドアから覗かれない位置にシャットアウラは座った。
(それで、どうすればいいんだ?)
(そこにある機械で歌いたい曲を選択して送信するんだよ)
(こ、こうか)
慣れない手つきで機械を操作して、とりあえず記憶に残っている曲を選択した。
(も、もりのくまさんってシャットアウラちゃん……)
(し、仕方ないだろう! 思いつくのがこれしかなかったんだ! 慣らしだ、慣らし)
皆無といっていいほど歌に触れて来なかったシャットアウラには、歌に関する知識は殆ど無い。
そして、経験も――。
データが送信されると画面が切り替わり、可愛らしい音楽が流れる。
それに相反して繰り出される強烈な歌声は、もちろん、シャットアウラのものだった。
「あるうぅひいい! もりのぉなかああ! くまさんにぃいいい! であああったああ!」
(ちょ、シャットアウラちゃんストー―ップ!)
「はなさああ……なんだ」
(なんだじゃないでしょ! 言っちゃ悪いけど、音痴なんてレベルじゃないよ!?)
「」
(リズムも走り過ぎだし! ほら、画面に写ってる字幕の色が変わっていくでしょ? あれに合わせて歌うの!)
「あ、ああ」
(わたしも一緒に歌うから、さんはい!)
「くまさあんんのお」
(音量ももっと抑えて!)
「……ゆうこーとーにゃ、おじょーおーさーん、おにげーなーさい」
(そうそう、上手上手)
「そ、そうか?」
(うん、その調子でいこ!)
その後なんとか歌いきり、カラオケの採点機能で表示された結果を見たシャットアウラは椅子に手をついた。
『採点結果:30点。全体的にリズムと音程が合っていません。頑張りましょう』
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