3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/25(月) 21:46:22.04 ID:d5tGG4Gs0
白坂小梅はみえている。
『それ』が何なのかは分からない。
彼女には、『あの子』という存在の他にも、色々なものがみえている。
あいにく、俺には見えたことがない。けれど、彼女はその存在を認識している。
一般的な呼称だと、それは幽霊と呼ばれるべきものだろう。
俺は病院の個室で、月を眺めながら、少し前のできごとを回想している。
まくらもとの棚には所属アイドルたちのお見舞いが置かれている。
こうなってしまった今、俺に出来ることは何もない。
窓から春を告げるかのような、夜なのに、少しだけあたたかい風が吹き抜ける。
それに連なり、取り付けられたカーテンも、空の色と対照的に軽やかに揺れていく。
みんなどうしているだろうか。
俺が居なくても、上手くやっていけてるだろうか。
みんなのことだ。きっとだいじょうぶに違いない。
彼女の言うことをもっとよく聞いておくべきだった。
どうしてこんなことになってしまったんだっけ。
そう考えていたとき、病室のドアがノックされた。
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