14: ◆4DizgRlA0E[saga sage]
2013/03/28(木) 15:51:23.78 ID:VMrTXD+x0
『頼み?何か、珍しいな』
「…ええ」
真剣な表情が、ゆっくりと暗く落ち込んでいく。
…けれど、無理もない。必死なのだろう。俺にはわかる。
ずっと真面目に取り組んでいるアイドル活動に、光がささないから。
毎日きちんとレッスンをこなして、思考して、分析して。
それでも、彼女には光がささないのだから。
だから、必死なのだ。
短い期間かもしれないが、共にやってきた。
夢も、未来も、一緒に語り合ったりもした。
「その…」
なんとなく、察しがついた。
今回のトーナメントの事だろう。
これで光を得られなければ、そう思っているのだろう。
…彼女を、勝たせてあげたい。
そんな気持ちが、倫理観より先行していた。
『…わかった』
「え…」
『勝たせてみせる』
「………」
「…ごめん、なさい」
きっと。
彼女を、勝たせてみせる。
その為には、まずトーナメントの全ての問題と解答を手に入れなければ。
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