81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/31(日) 00:37:42.58 ID:YU5czjZ8o
靄から湧き出すような使い魔たちを蹴散らしながら杏子とマミは古都をさまよう。
走っても走っても靄から抜け出ることができない。
焦りと疲れが二人の顔にはりついている。
「くそがッ! キリねえじゃねーか!」
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2013/03/31(日) 00:45:17.43 ID:YU5czjZ8o
ひゅん、
と、風を切ってなにかが竜の首に突き立った。
剣である。
「ストライク! アウト!」
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2013/03/31(日) 00:46:59.96 ID:YU5czjZ8o
「この靄と使い魔で道がわからなくなってしまったの」
「これは幻覚よ。――さやか」
「あいよ!」
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2013/03/31(日) 00:51:26.90 ID:YU5czjZ8o
22
無人の学校を瘴気の濃いほうへと歩いていくと、ひとつの教室にたどりついた。
本来なら黒板があるはずの教室前方に、意匠の刻まれた大きな鉄扉がとりついている。
85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/31(日) 00:55:05.45 ID:YU5czjZ8o
《えへへ。ようこそ、みんな》
真っ白な部屋の中心で、まどかに似たなにかが嗤った。
「!」
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/31(日) 00:57:14.79 ID:YU5czjZ8o
「あんたぁ! まどかになにしたの!」
剣を構えるさやかに、闇は可憐に微笑んだ。
《これは『鹿目まどか』じゃないよ。その魂はもうわたしが食べちゃったから。だからこれはただのゴミ》
87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/31(日) 01:02:32.67 ID:YU5czjZ8o
「こっちよ!」
空中からマミが十数のマスケット中に一斉に点火。
轟音を響かせて弾幕が闇の視界を埋め尽くす。
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/31(日) 01:05:36.26 ID:YU5czjZ8o
「ぐあっ!」
笑顔のまま、闇はさやかの首を掴んで持ち上げる。
ふわ、と闇が浮かび、さやかの足も床から離れた。
さやかが剣を取り落とし、闇の右手にすがる。
89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/31(日) 01:08:34.38 ID:YU5czjZ8o
《わたしが教えてあげるよ、マミさん》
唇を歪ませて、闇が三人を見下ろす。
呻くさやかの両手に鎧篭手が現れる。ぞりぞりと模様が全身に広がっていく。
90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/31(日) 01:11:34.36 ID:YU5czjZ8o
《あっはは! 苦しい? ねぇ苦しい? さやかちゃん!》
【ゴアアアアアアアアアッ!】
苦悶の声をあげるさやかから手を放し、闇は手を広げて高らかに嗤った。
91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/31(日) 01:15:16.94 ID:YU5czjZ8o
「それじゃあ、さっそくだけど案内するよ。君のために部屋を用意したんだ。そこで、約束通り世界を変えようじゃないか」
《やった! 呪いと祟りで世界を埋め尽くしちゃおうよっ》
キュゥべえがしっぽを立てて歩き出す。
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