過去ログ - 劇場版・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
1- 20
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/29(金) 22:56:41.44 ID:4764DHEAO
〜9〜

その後上条と麦野の一騎打ちになったが、結果はデザート代、ドリンクバー代、サラダ代と惨憺たる有様。

麦野「おいおい。もうお腹いっぱいで食べられないにゃーん?」

上条「何でだよ!?お前透視能力とか持ってないはずだろ?!」

麦野「選別するポイントがあるのよ。1は指を横に滑らせる、2はどん尻を指で押さえる、3は点が……」

婚后「言われた通りにやっておりますが全然わかりませんわよ」

鳴護「じゃあ当麻君の奢りって事で」

全員「「「いただきます!」」」

上条「くそー、矢でも鉄砲でもステーキでも持って来やがれ!」

麦野「(それは私が何百人も殺して来た人殺しの手だからさ)」

自棄になる上条と、ゲームというワンクッションが功を奏したのか和む場に相反して麦野に喜色は無い。
麦野が番号を当てたのは長らく暗部で培われたよる体性感覚野の鋭敏化と夜間触読による経験則からだ。
優れたギャンブラーが指先だけで本の捲ったページを当てる、背中越しに観戦者の人数を当てるetc.……
入店する際に発揮した観察眼も含めて今の平穏な日常には必要ないであろう暗殺者のスキルだ。そこへ。

上条「どうした?」

麦野「…………」

上条「冷めるぞ〜」

テーブルの下で上条が麦野の手を握って来る。わかっているのかいないのかは麦野にも俄かにわからない。
ただ一つ確かな事は、自分の方にサーモンステーキをそっと寄せて来る上条がいつも自分が一番辛い時に。

麦野「ふん、御愁傷様」

上条「どういたしまして!それにしてもすげーよなあアリサって。あっという間に皆の中に溶け込んでる」

言葉にならない声にいつも耳を傾けてくれる。嘗てレベル0と蔑み、殺しにかけた男の手が今は愛おしい。

佐天「ARISAの歌を聞くと幸せになれるって本当だったんだね」

鳴護「えーっ、そんな風に言われてるのかな?何か照れ臭いよ」

麦野「――確かに能力とかじゃあないわね。こういうのってさ」

玉葱の皮のように積み重なって行く伝票と騒がしいやり取りに、麦野はアイテムの顔を思い出して苦笑し。

麦野「(それからこんなくだらねえ特技も)あっ、ソース頂戴」

上条「!?」

あたかも会話に加わっている風を装い机の下で携帯電話をブラインドタッチし、左手を繋ぐ上条に見せる。

上条「(マジかよ……)」

そのメール作成画面には『尾行されている』と表示されていた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
144Res/211.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice