過去ログ - 劇場版・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/29(金) 23:10:21.66 ID:4764DHEAO
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シャットアウラ「誠に申し訳ございません。鳴護アリサは無事ですが、襲い掛かって来たグループを取り逃がしてしまいました」

レディリー『問題無いわ。約束の日まで彼女の無事ならそれで。ただそれなりの布石を打っておくに越した事はない。でしょ?』

一方、帰投した後自室に戻ったシャットアウラは、窓から望む学園都市の夜景を見下ろしながら報告する。
より正確には、その中でも一際光り輝く“エンデュミオン”を打ち立てたオービット・ポータル社社長……
レディリー=タングルロード。若干十歳の依頼主が携帯電話越しにも笑んだ光景が目に浮かぶようだった。

シャットアウラ「それはどういう……っ」

レディリー『どうしたの?』

シャットアウラ「いえノイズが混じって」

同時に、耳の痛い皮肉とノイズにシャットアウラが眉を顰める。その原因はレディリーが自室でかける。

レディリー『止めて』

今時珍しい蓄音機から奏でられる旋律によるものであった。
それは機器に問題があるのではなく、聞く者に問題がある。

レディリー『これでいいかしら?』

シャットアウラ「はい、申し訳ございません」

レディリー『構わないわ。では引き続きよしなに』

シャットアウラは、歌声ないし旋律、音楽がノイズにしか聞こえないという後天性の脳障害を患っていた。
世界には音アレルギーとも言うべき、特定の低周波音に強い反応を示す患者もいるがそれともまた異なる。
依頼主に報告を終え、シャットアウラは携帯電話を切り窓辺から簡素な自室に置かれたパソコンへ向かう。

シャットアウラ「上条当麻、レベル0」

一つは『書庫』のデータベースより鳴護に絡んで自分に立ち向かって来た人間の洗い出しをしていたのだ。
上条に関してはレベル0だと言う事、側にいた修道女はデータ無し。だが彼女が問題視するのは残る二人。

シャットアウラ「鳴護アリサ、レベル0。麦野沈利、レベル5第四位」

自分と同じオリオン号試験飛行記念品であるブレスレットを割り符の様に持つ鳴護。そして壁に飾られた。

麦野『セクウェンツィア。どっかの不時着事件の生き残りとその宇宙船の機長もそんな名前だったかしら』

血染めの機長帽と、自分を知っているらしい麦野の顔が重なり。

シャットアウラ「……お父さん」

影が濃く、夜が長く、闇が深く、シャットアウラを蝕んで行く。




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