77: ◆GorJQ6qPNeO8[saga]
2013/05/12(日) 15:37:52.72 ID:Yo+FSNtNo
〜〜〜
「ほのか……かわいい」
高校二年生の冬、私はなぎさと一線を超えた。
その時の、なぎさのこの言葉と表情はきっと一生忘れないだろう。
越えようと思って超えたのではない。
ただ、あの時越える時が来た。そんな風に私は思ってる。
いつも通りデートをして、私の家になぎさが寄ると、おばあちゃまが言ったのだ。
「なぎささん、急で悪いのだけれど今日は泊まっていってくれませんか?
旧い友人が入院したと、今連絡が来たんですよ」
心配そうなそれでもいつも通りの朗らかな笑顔でおばあちゃまはそう言った。
「……はい、全然、喜んで泊まりますよ」
なぎさは、一瞬おばあちゃまを心配するような顔つきになったが、すぐに明るく笑った。
「では、よろしくお願いしますね。
明日のお昼には帰ってきますよ」
「あ、おばあちゃん、傘持って行ったほうがいいですよ。
夜から明日の午前中にかけて雨降るって天気予報でしたし」
「そうですか……ありがとうございます」
なぎさが傘を手渡すと、おばあちゃまは嬉しそうに笑った。
「……二人切りね」
おばあちゃまを見送ったあと、なんとなく私は呟いた。
「そ、そう……だね」
二人きりになることなんて珍しくもないのに、何故だか私達はぎこちなく笑う事しか出来なかった。
「と、とりあえず……ご飯作ろっか!」
なぎさはわざとらしく笑いながら、台所へ向かっていく。
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