過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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20: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/02(火) 22:46:38.77 ID:Y3hy9anU0
ローファーがアスファルトをカツン、カツン、と叩く音が両側をビルに挟まれた道に反響する。
吹きつける冷たい風はビル風となって轟々と唸りを上げる。
その強い風は美琴の髪をサラサラと揺らし、更にスカートを揺らした。

辺りに捨てられている紙屑が風に乗って流され、地面を引っ掻きながら飛んでいく。
それらの光景が一層この寂れた路地裏を演出していた。
しばらくビル風の音とアスファルトを叩く音だけが響いていたが、やがて一定のリズムで鳴っていた足音がピタリと止まった。
ついに美琴が目的地に到着したのだ。

何てことはない、ただの路地裏。
どこかの倉庫に出たわけでもなく、目立った何かがそこにあるわけでもない。
それでも美琴は路地裏のある一箇所で歩みを止めていた。
周囲には何もない。何の痕跡もない。
ここで間違いなくあった惨劇など初めからなかったかのように。
だがそれは現実。なかったことになることなど決してない。

そう、ここはかつて『実験』が行われた場所。
一方通行を絶対能力者にするために一〇〇三一番目の妹が息を引き取った場所。
その体が弾け飛ぶ瞬間をモニター越しに見た。その時の場所を覚えていたのだ。
九九八二号だけではない。美琴は一〇〇三一号とも接触したことがあった。
一緒に遊びまわったりしたわけではないが、確かに会った。言葉を交わした。


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