過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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291: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/05/22(水) 00:35:47.15 ID:NWEpM7fj0
本気で殺しにかかってくる相手を殺さずに倒すためには、こちらの実力が数段上でなければならない。
向こうはこちらを殺すつもりだからどんな手段でも使える。自らの体を壊すような、危険な攻撃だって出来る。
そんな相手を正攻法のみで殺さずに勝つためには、実力が五分では分が悪い。
そしてそれが出来るだけの力が自分にあるか、美琴には分からなかった。

いくら美琴が「全力を出す」と言っても、大抵は全力ではない。
決して相手を殺さないように、大怪我をさせないように気遣ってしまうから。
それが半ば無意識的に力を抑えてしまう。それは人を殺したことのない、『表』の人間なら誰もが持っているストッパーだ。
美琴が本当に本気を出したのは一方通行と戦った時くらいのものだろう。
あの時は怒りのあまり手加減なんて考えていられなかったし、また一方通行なら絶対に殺してしまうことはないというのもあった。

だが麦野沈利は違う。たしかに麦野は強いが、一方通行とは比べ物にもならない。
相手が圧倒的格上ならそんな心配は無用だが、麦野とはそこまでの力の差はない。
しかし、それは。美琴は僅かに口の端を吊り上げた。

「笑ってやがる……。諦めて開き直ったか。
それとも第三位らしく何か隠し玉でもあるのか」

だがそれがどれだけ麦野を馬鹿にした、自意識過剰な考えであるか美琴は分かっていた。
麦野はただ美琴を殺せればいいというだけではないはずだ。
第三位の超電磁砲を真っ向勝負で打ち倒し、自らの優秀さを証明する。
それが麦野沈利の目的だったはずだ。
そのためにあんな体になってまで美琴の前に再び現れたのだ。

そんな彼女の気持ちに応えて美琴は本気を出すと言った。
それで本気じゃなかった、なんて分かった時にはそれこそ麦野は激怒するだろう
しかもやりすぎてしまうかもしれないから、という麦野にとっては屈辱過ぎる理由で。


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