過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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341: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/05/31(金) 00:04:55.45 ID:Ip6KJfEp0
それは確かに麦野沈利という人間の性質だ。
人を殺すことに躊躇いなど覚えない、彼女の人間性だ。
それは周囲が誘導した程度で生まれる災厄ではない。
そういう領域から外れてしまった、どうしようもない怪物だった。

だが、それでもだ。それでも全てを仕組み、誘導し、麦野のような者を生み出し笑っている人間がいるのなら。
それは麦野をも凌駕する強大な悪意なのではないか。
一方通行と同じ。一方通行も、麦野沈利も。笑って人を殺せる怪物だ。
それでも、その根本的な原因を辿っていけば、結局のところ行き着く先は学園都市上層部。

御坂美琴はそんな麦野の目を見て、決して視線を逸らさぬまま続けた。

「だから、お願い。ねぇ、もうやめようよ。戦う必要なんてなかったのよ」

美琴は懇願するように、宣言するように、言った。

「もう、殺し合いなんてやめよう」

それを聞いた麦野はハッ、と笑った。
嘲笑ではない。もはやどれくらいぶりなのか想像も出来ないほど久しぶりの、純粋な笑い。
ソファに寝転がったまま上半身だけ起こしていた麦野は、体から力を抜いてドカッとソファに倒れこむ。

「……だからオマエは甘ったれのクソガキだって言うのよ。
ここまで来て言葉で解決しようって? ホンット、甘すぎてヘドが出るわね」

けれど、それが御坂美琴という人間。
別に美琴は麦野の目が覚めるまで待つ必要なんてなかった。
麦野は気絶していたのだから無視して立ち去ることも、殺すことも簡単に出来た。
少なくとも麦野だったら間違いなく殺していただろう。

だが美琴はそうしなかった。彼女はあくまで話し合いでの解決を望んだ。
そこが美琴と麦野の違い。善人と悪人の境目。『表』と『闇』の境界線。そう考えた。


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