過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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397: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 00:57:15.77 ID:D30LGKJg0
「ゲホッ、ゴホッ……」

激しく咳き込みながら美琴はよろよろと立ち上がる。
考えていたのは超電磁砲を防がれた恐怖ではない。
理解不能の力で吹き飛ばされたことでもない。
驚きこそしたが、そんなことは至極どうでもよかった。

何故なら“御坂美琴は戦いに来たのではなく、助けにきたのだから”。
ただ先ほど超電磁砲を放った己の行動を悔い、責めていた。
効いた効かなかったではない。親友を傷つけようとしたこと自体が許しがたいものなのだ。

(全く……本当に何をやってるのかしら、私は)

自嘲しながら垣根の前に立つ。
そして美琴は己の頬を、思い切り自分の拳で殴りつけた。
ドゴ、という音と共にビリビリと鋭い痛みが走る。少しやりすぎたかもしれない。
だがそれくらいは当然だろう。まだまだ足りないくらいだ。
その一連の行動を見ていた垣根はわけが分からない、と言うような目で美琴を見た。

「……ついにラリッちまったか? いい医者知ってるぜ?」

いきなり自分で自分を殴ったのだ、わけが分からなくて当然だろう。
だが美琴はその垣根の言葉を無視し、両手を左右に大きく広げて立ち塞がるように立った。
その拳は握り締めない。まるで敵対の意思がないことを示すように。
垣根は迷いを振り切ったような目で見つめてくる美琴に、素直な疑問をぶつけた。

「何の、つもりだ?」

「私は戦わない。アンタとは戦いたくない」

美琴はハッキリと断言した。
先ほどまで散々揺さぶられていた心は安定を取り戻した。
廃工場であの書類を見つけた時に思ったはずの、なのに失念していたある事実を思い出したから。

「だって、垣根は友達だもの」

そう言って御坂美琴は笑った。
無理に作ったものではない。純粋な、友人に向けるような警戒の色がない笑みだった。
当たり前だ。何故友達を警戒しなければならないというのか。
垣根はその言葉に初めて感情を揺らした。
僅かな動揺を隠すように、垣根は言った。


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