過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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470: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/23(日) 23:51:46.78 ID:33h1gMkd0
「―――三流だな」

「ッ、何だと……?」

「さっきのオマエの言葉で分かった。オマエじゃ俺には勝てねェよ。
善人か悪党か。そンな善悪二元論にこだわっているうちは三流だ」

一方通行はそんな段階をとっくに超えていた。
だからこそ御坂美琴と対峙した時、善も悪も超えて打ち止めと共にいたいと言ったのだ。
とはいえ、一方通行も最初からそうだったわけではなかった。
垣根帝督のように、悪党なのに善人と一緒にいていいのか、と苦悩した時期もあった。

だがそれを必死に乗り越えたからこそ、打ち止めという光を守るために戦ったからこそ一方通行には分かる。
未だそこで止まっているようでは、乗り越えた一方通行には勝てない。
勝たせるわけにはいかない。
あらゆる障害と試練を超え、御坂美琴との対峙さえ超えて彼が掴んだものを、こんな男に否定させはしない、と。

「……退屈な野郎だ」

そんな心境など知るはずのない垣根は、その言葉に頭が沸騰しそうになる。
気に入らなかった。自分と同類のはずの男が、自分の解けない問題を易々と解いてしまったようで。
そんなことも出来ないのか、と見下されているようで。
自分は間違っていないはずだ。間違っているのは悪党であるにも関わらず素知らぬ顔で打ち止めの隣にいる、この男のはずだ。

「上から説教垂れてんじゃねえ!! テメェに酔ってんじゃねえぞ恥知らずがァァァああああああああ!!!!」

叫んで、背中の翼が爆発的に展開された。
六枚の翼はそれぞれ数十メートルにまで伸び、もはや巨大な剣にさえ見える。
垣根帝督の携える六枚の翼が大きくしなる。
形を変え、質量を変え、莫大な殺人兵器のように。

夜天に舞い上がって規格外のサイズの白翼を振り回し、一方通行へと叩きつける。
ビルの屋上に一度のジャンプで飛び乗る一方通行だが、垣根の二〇メートル以上に達した翼はビルごと容赦なく引き裂いた。
高層ビルが縦に割れ、思わず耳を強く塞いでしまうほどの轟音をたてて倒壊した。

だがそんなことはお互い気にもかけない。
一方通行は器用にビルからビルへ移動していき、垣根の六枚ある翼による二撃目、三撃目をかわした。
しかし四撃目はついに一方通行を捉え、直撃した。
垂直に振り下ろされた翼によりビルは完全に破壊され、粉塵が舞い上がる。

貯水タンクを突き破って現れた一方通行は如何なる方法を用いたのか、ダメージを軽減させることに成功したようだった。
口から血を吐き出しながら、あたりを飛び回る。
そしてその姿を見て、垣根は一つの疑問を覚えた。


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