過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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474: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/24(月) 00:02:32.20 ID:Q/pVMErx0
垣根は攻撃の手を休めない。その手に“何か”が集約される。
不可視のそれは視覚することは出来ないが、そこだけ光が屈折したように向こう側の景色が歪んでいるので何かがあることは分かる。
垣根は“それ”を槍投げのような動作で一方通行へと投げつける。

「チッ!!」

だがすぐに反応した一方通行はそれを容易く回避し、即座に突っ込んできた垣根に応戦する。
音速を超えて、時には信号機の側面を蹴飛ばし、時には風力発電のプロペラの上に立ちながら町並みを駆け抜けていく。
互いの力を激突させる両者は凄まじい轟音をたて続ける。

しかし両者共に音速を超えているせいで、その音はぶつ切りに、ずれて学園都市に響き渡った。
垣根が翼を叩きつけようとすれば、一方通行はそれを回避し、必殺の手でカウンターを図る。
一方通行が風を従えれば、垣根はそれを爆発的な烈風で吹き消す。
垣根が月光を変質させて攻撃しようと空に舞い上がれば、一方通行は電信柱をベクトル操作して投げ飛ばし、垣根を空から引き摺り下ろそうとする。
一方通行が途轍もない威力で投擲してくれば、垣根はありったけの力を翼に込めて防御に徹する。

垣根帝督が六枚の翼を広げて夜天を舞う。
夜の闇を純白の翼が切り裂く。黒と白のコントラストが一層翼の神秘さを引き立てていた。
そして一方通行も同様。同じく夜天を飛び回る白い一方通行の姿は、闇の中にあって酷く目立っている。
第一位と第二位。二人の超能力者はくっきりと闇の中に浮かび上がっていた。
闇というキャンパスの上で二人は血という絵の具を散らしながら踊っていた。

「おいおい、そんなに派手に動き回って大丈夫かクソモヤシ? 体持たねえんじゃねえの」

「うるせェよ。オマエこそいつまでも手羽先をパタパタさせてンな。シュール過ぎて夢に出そォだ」

「その時は俺に感謝しな。いい夢になりそうだろ?」

「あァそォだな。だったらオマエにも覚めない夢を見せてやンよォ!!」

垣根の翼が鋭い剣のように一方通行に迫る。
その全てに等しく孔を穿ちそうな刺突は反応すら許さない速度で一方通行を刺し殺す。
だが一方通行はその身を大きく捻り、それを回避した。
『未元物質』の翼がその左肩を掠め、皮膚が裂けた。

しかし一方通行はそんなことなど意にも介さず、悪魔の右手を大きく垣根へと突き出した。
掴まれれば、待っているのは死。
全てのベクトルを操る一方通行にとって、血液や生体電気の流れを逆流させることは難しくない。


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