過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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475: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/24(月) 00:04:12.20 ID:Q/pVMErx0
垣根は首を大きく右に振って必殺の右手を回避する。
あまりにも勢いよく首を振ったせいで寝違えたような痛みを覚えた。
一方通行の手が僅かに左の頬を掠め、皮膚が裂けて赤い血がドロリと流れ出した。
当然そのことにより痛覚が刺激され、鋭い痛みが走る。

だが垣根はそんなことには取り合わない。
まるでカウンターを合わせるように、一斉に翼を動かし一方通行の腰から下を切り落とそうとする。
左右三対の翼。一方通行の左右双方から三枚ずつギロチンが迫る。

「下半身に未練はねえな?」

「オマエこそ首から下に未練はねェだろ?」

先ほど垣根の頬を裂いた右手が、そのまま垣根の喉元目掛けて振るわれた。
既に伸ばされていたその右手をただ横に移動させるだけでいい。
わざわざ腕を伸ばす必要がない分、タイムロスが減った。
その小さなショートカットが、翼を振るう垣根より僅かに上を行った。

その差はまさに刹那だった。だがその刹那が明確に両者を隔てる。
垣根の斬撃が一方通行を両断するより、必殺の右手が垣根の喉元を掻き切る方が速い。
それをすぐさま理解した垣根は攻撃を中断し、イナバウアーのように大きくその上体を後方へと反らした。

必殺の右手が空を掻く。だがかわされることが分かっていたかのような動きで一方通行は追撃を図る。
何もない空間を裂いた右手を途中で止めることなく、最後まで大きく振り抜いた。
その動きにより右の肩が大きく突き出され左肩が後方へ仰け反る形となり、同時に腰も反時計回りに捻られる。
右肩を一気に引き戻し、入れ替わるように左肩を突き出す。その勢いを殺さず流れるような動作で腰の入った左での攻撃が繰り出された。
何物をも砕く一撃。だがしかし垣根はそれを白翼で受け止める。
世界の常識から外れた『未元物質』は、全てを粉砕するベクトル操作能力に反抗する。

「うざってェチカラだ。『未元物質』、か。この世に存在しねェ物質、だからこそこの世の法則に囚われねェってか?」

「何とも非常識だと俺も思うぜ。だがこいつには教科書の法則は通じねえし、テメェのベクトル操作でも簡単にゃ砕けねえ。
テメェご自慢の『反射』も同じだ。音を『反射』すれば何も聞こえない。物を『反射』すれば何も掴めない。
ま、そんな風に隙があるなら話は簡単だよな。テメェが受け入れているベクトルから攻撃すりゃいいだけだ」

「確かに。月光が殺人交戦になったり、馬鹿みてェな質量生み出したり、何でもござれだな。
俺からすればオマエの『未元物質』はまさに異世界の法則だ。だが、それをこちらの法則へと貶めることが出来たら?」

一方通行は口の端を吊り上げた。


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