過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「その4!?」
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788: ◆x/rxoIq2T6[saga]
2013/07/07(日) 23:00:40.16 ID:6gXOo4zf0


霧切「……ええ、そうね」

俯きながら、霧切がそう答える。
彼女ももう、自分の運命を受け入れているようだった。

舞園「私の勝ちです。苗木君は──私が幸せにします」

舞園「貴方は、横で見ていてくださいね?」

残酷に、そう告げて。
包丁を霧切りに向けて振り翳し──



パンッと。
乾いた音がした。


じわりと、舞園の胸の辺りが赤く染まる。


舞園「……え?」

霧切「ゲームオーバーなのは、貴方よ」

目の前には、銃口を向けた霧切の姿。

舞園「そん……な……」

霧切「回転式拳銃の面白いところはね、弾が一発でも入っていれば使えるのよ」

そう、全ては霧切が仕掛けた一世一代の賭け。
霧切のような素人が、確実に銃弾を当てるには、それこそ相手が目と鼻の先にでもいなければ無理だろう。
だがしかし、拳銃を持っている時点で相手が迂闊にこちらの懐に入ってくることは無い。
ならばどうすればいいのか。話は簡単。
“拳銃そのものを何の役にも立たないと認識させれば良い”。
そう、つまりは。
拳銃は弾切れ、ならそれはただの鉄クズだと、そう相手に思わせる。

その為に、あえて霧切は6発装填の内【5発】しか弾を入れなかったのだ。
そうして弾切れだと舞園を錯覚させる。
そして上手い具合に拳銃の元にたどり着き、弱っている演技をしながら拳銃に弾丸を込める。
そうして油断した舞園が近づいてくるのを待っていたのだ。

勿論、この作戦は偶然が重なって出来ていたもので。
何か一つでもイレギュラーが起これば簡単に破綻する。
つまりは、最初から勝利の女神は、霧切に微笑んでいたのだ。

霧切「私の勝ちよ。流石に腹を斬られたのは想定外だったけれど……良い戦いだったわ」

舞園「う、ぐ……っ!」

舞園の身体が透けていき、粒子へと変化していく。
何かを話そうと唇を動かすが、激痛で何も喋れないようだった。

霧切「私だって、本気なの。この戦いは、絶対に負けられなかった」

舞園「──っ!」

舞園は何かを叫んだかと思うと、完全に粒子と成って空へ溶けていった……。



霧切「Auf Wiedersehen──舞園さやか」



霧切は腹を押さえながらそう呟き、ゆったりとした足取りで小部屋を去っていった。


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