171:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/10(金) 20:27:08.94 ID:uAvvpyUMo
『例の男は、クダ筋なんだ』
そう、村長さんは言いました。
管狐という妖怪のようなものが取り憑いた家系をそう呼ぶことは、ひいおばあさんも知っていました。
そして、そこで、村での一家の扱いのひどさにも理解が及んだのです。
『クダ筋と言っても、今時はなにが出来るわけでもない。だが、クダ筋というだけで……』
同じ人間扱いしないようなひどい取り扱いは残っている、ということでしょう。
『そして、子供は親のやることをよく見ている』
ひいおばあさんは嫌な予感を覚えました。
『娘は、見殺しにされたという。遊びの途中、沼にはまり、助けを求める娘の周りで、子供らが、クダ筋の娘など助ける必要はないと笑って見ていたと』
子供は、無邪気だと言います。
たしかに一面ではそうでしょう。
子供たちは、悪意まで素直に受け止め、それを実行に移してしまうのです。
自分たちが悪いことをしているなどという自覚すらなく。
大人たちが同じ大人である父親に手ひどく当たるなら、その娘への扱いはどれほどぞんざいでもいいと考えてしまう。
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