87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 01:09:08.90 ID:W0F/MLyAo
突っ込んでくるバイクに乗ってる奴の、首が、無え。
そう、あいつが追いかけて、死ぬことになった首無し野郎が出やがったんだ。
アタシらはかっとなって、そいつの進路をふさいでやろうとしたよ。
そしたら、この集会の言い出しっぺ……あいつの親友が叫んだんだ。
『あいつの邪魔するな!』
はっとして、みんな振り返ったりミラーを見たりした。
いたよ。
首無しライダーの後ろにぴったりくっついて、がちがちにチューンしたバイクにのった、あいつがさ。
二台は本当に少しも離れずに、突っ走ってた。
いや、あいつが、首無しに食いついて離さなかったんだ。
そいつらは、アタシらの横を、とんでもねえ速さで駆け抜けてさ。
そのまま、崖に直進したよ。
あいつが曲がりきれずに、落ちて死んだ崖にな。
下にはぐしゃぐしゃのバイクがまだ残ってるはずの、崖にな。
でも、曲がりきれなかったんじゃなかったんだ。
あいつは、追いかけてただけだったんだよ。
崖の上の空を飛んでく首無し野郎を、な。
『ああ、あいつ、まだ追いかけてやがるよ』
『ばかだなあ。死んでまでよお』
そんなこと言って、みんな、泣きながら笑ってたよ。
空を昇っていく二つのテールランプを見つめながら……。
本当に……バカだよな。
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