過去ログ - 錆白兵「ここはどこでござるか……」神裂火織「必要悪の教会女子寮ですが……」
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◆4ipphlbOc2
[sage saga]
2013/04/21(日) 01:46:38.56 ID:hIA84u8D0
神裂は目を瞑る。痛みに堪える為。覚悟を決めさせる。神に祈る為。その数秒は数十分に感じるほど長かった。そして、時が進むに比例して暗殺者の気配が段々と近づいてくるのも、感じ取れた。
「―――――――――〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
5m、4m、3m、2m………。
そして、
――――1m。
この時、神裂火織は腹を括った。死をも覚悟して、腹に力を入れた。
だが―――――。
「だ〜れだ」
――――さっきまでの緊張感は、この一言によって破壊される事になった。暗殺者は脇腹ではなく、両手で神裂の両目を覆っていた。
「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………は?」
ぽかん、と口を開けると、つい最近同じ量に住む事になったばかりのシスターの明るい声が背後から、
「はい、私は誰でしょうか〜。当ててみてくださいね」
「…………………………」
神裂は、この明るい声を知っている。イギリス清教に最近入ってきた元ローマ正教のシスターで、暗号解読のスペシャリスト。
「シスター……オルソラ=アクィナス?」
「正解〜」
「……………」
ぱっと視界が明く。振り返らずに大きくため息をついた。なるほど、さっきまでの殺気は暗殺者のそれでなく、悪戯をしようと息を潜むオルソラの気配だったのか。いやしかし、なぜこんな簡単な気配の判別が出来なかったのか。怒りで思考と判断が鈍ってしまったのか?
「あら? どうしたのでしょうか? どうしてそこまで安堵と脱力と悔しさが混ざったような溜息ををして……。ああそうそう、結局どうでしたか? 最大主教様への直談判は通りましたでしょうか。あの方はぱっと見て普通の女性なのですが、実の所、好々爺としていて隙の無い方ですから、さぞかし大変だったのでしょう。しかし、なんで私だと分かったのです?」
「勘です。ですが、その話が前後する口調は、私が知る限りあなたしかいないから確信しました」
振り返ると、ケロケロと笑うオルソラの姿があった。因みに恰好はいつもの修道服で、頭から全身真っ黒。指先も手袋をしていて露出を完全にシャットアウトしている。
相変わらず、前後する話し方をする人だ。神裂は彼女のこの口調に慣れるまで大変苦労したのだが、なれと言うものは便利かつ怖いもので、すっかり気にしなくなってしまった。
「あらあら。それはそうですか。時に、どうでした? 最大主教の方は。やっぱり、あの方は今回も……」
オルソラ=アクィナスは心配そうな顔で神裂を見つめる。
彼女は先の法の書事件でローマ正教に命を狙われたのだが、その時に上条当麻に助けられた一人である。要は、上条勢力に加わりつつある人間の一人でもある(双方その気は全く無いのだが)。
「ええ、今回もです。全く、ローラも困ったものです。何のために必要悪の教会がいるのでしょうか……」
「しかしそれも最大主教様の最終決定ですので、私たちは従うしかないのかもしれません。あの方も、一般人を殺させる様な事はしない筈です。きっと考えがあってのことでしょう」
(………それが、怪しいのですが…。まぁ、どうでも良くなってきました。今回は見送りましょう。ステイルと土御門だって手練れですから、滅多な事が無い限り命に係わる事は無いと信じましょう)
神裂の中の上条への借りがまた一つ大きくなったのは、もうあきらめるしかない。次の機会に期待しよう。
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