10:1
2013/04/21(日) 12:40:27.70 ID:mQAtD2s70
キュウべえは意を決した様に呟いた。無表情だという事に変わり無いのだが、ほむらは確かにそう感じた。
「君には、興味が沸いたよ。協力とは言わないけれど、手は組ませてもらうよ」
「……ふふ。頼りにしているわ……インキュベーター」
ほむらは含み笑いを見せた。もっとも、その視線は、冷たいままなのだが。
「僕は、ここで消えさせて貰うよ。ワルプルギスの事はまた後日に話す事にするよ」
11:1
2013/04/21(日) 12:41:16.21 ID:mQAtD2s70
転校日。
「暁美ほむらです。よろしくお願いします」
何時ものループと変わらない、淡々とした挨拶。しかし、クールビューティーな容姿が手伝って、クラス中の話題はほむらで持ちきりとなる。
休み時間になると、ほむらの周囲はクラスメイトでごった返すのだった。
「ねーねー。暁美さんって、東京から来たんでしょ? どんな学校だったの?」
12:1
2013/04/21(日) 12:41:46.85 ID:mQAtD2s70
と言っても、ここで言葉を交わす事は、もはや運命なのかもしれない。
「あの、暁美さん?」
「……?」
ほむらに声をかけてきたのは、鹿目まどか。幾つ物ループで、守ろうとしてきた、大切な親友。しかし、まどかにその事実を知る由は、まだ無いのだが。
「私、鹿目まどかって言います。保健委員やってて、早乙女先生から保健室を案内してあげてって言われてて」
13:1
2013/04/21(日) 12:42:14.57 ID:mQAtD2s70
先導するまどかの背中を見ていると、ほむらの自然と険しくなってしまう。
(今回で確実に終わらせなければ……。貴女を呪縛から解かなきゃいけない……)
そう思い込んでいると、不意にまどかの方から言葉がかかってきた。
「……暁美さん。やっぱり、気分が悪いの?」
まどかは、余りにも険しい表情を見かねて、ほむらを体調を心配していた。
14:1
2013/04/21(日) 12:42:41.49 ID:mQAtD2s70
「ねえ、まどか。一つだけ聞いても良いかしら?」
「どうしたの?」
ほむらが少し間を置くと、まどかは周囲の空気が張りつめた事を感じた。
「……貴女は、家族や友達の事。大切だと思ってる?」
「……えっ?」
15:1
2013/04/21(日) 12:43:21.36 ID:mQAtD2s70
その日の放課後。
ショッピングモールのファストフード店で、談笑するまどかとさやか、そして仁美。内容が、転校生の事に偏るのは、致し方なしと言えよう。
「あっはっはっは……。ちょっと、それってマジなの!?」
大爆笑で、目に涙を浮かべながらさやかはそう言った。
「さやかさん……笑いすぎですわ」
16:1
2013/04/21(日) 12:43:59.01 ID:mQAtD2s70
同時刻。同じショッピングモール内の改装中エリアにほむらはキュウべえと居た。
「……確かに、魔女の反応が有るね。君が過去をやり直しているのは、本当なんだね」
キュウべえは、感心しきりだった。
「……信じていなかったのね」
ほむらの返答は淡白な物だった。
17:1
2013/04/21(日) 12:44:37.38 ID:mQAtD2s70
お互いが無言のまま、数分経過。キュウべえはピクリと反応を見せた。
「その当ては外れた様だよ。あの魔女の結界に、鹿目まどかと美樹さやかが捕えられたみたいだ……」
「……何ですって?」
ほむらは目を見開く。
「……魔女に捕えられるのは、何も口づけを受けた人間だけじゃないさ。
18:1
2013/04/21(日) 12:45:10.06 ID:mQAtD2s70
まどかとさやかの目前に広がるのは、異空間と形容できる光景だった。
綿毛のバケモノに取り囲まれて、動く事もままならない。
「……何よこれ」
さやかは背筋から、冷たい汗が流れている。
「解んないよ……こんなの夢だよね!?」
19:1
2013/04/21(日) 12:46:13.01 ID:mQAtD2s70
カツン、と床を踏みつける音が、耳に飛び込む。
「危ない所だったわね……」
そう聞こえた時、黄色いリボンが二人の周囲を包み込んだ。思わず辺りをキョロキョロと見渡すと、見滝原中学の制服を着た女性が、すぐ近くに立っていた。
「……ど、どちらさまでしょうか?」
「貴女達、見滝原中学の生徒ね」
20:1
2013/04/21(日) 12:46:38.61 ID:mQAtD2s70
その中から再び姿を現すと、制服姿から変身を遂げていた。
「使い魔共、すぐに終わらせて上げるわ!!」
女性はスカートの中から、大量のマスケット銃を一斉に召喚。
大きく息を吸い込んで、集中力と魔翌力を高める。
「ティロ・ボレー!!」
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