15:1
2013/04/21(日) 12:43:21.36 ID:mQAtD2s70
その日の放課後。
ショッピングモールのファストフード店で、談笑するまどかとさやか、そして仁美。内容が、転校生の事に偏るのは、致し方なしと言えよう。
「あっはっはっは……。ちょっと、それってマジなの!?」
大爆笑で、目に涙を浮かべながらさやかはそう言った。
「さやかさん……笑いすぎですわ」
16:1
2013/04/21(日) 12:43:59.01 ID:mQAtD2s70
同時刻。同じショッピングモール内の改装中エリアにほむらはキュウべえと居た。
「……確かに、魔女の反応が有るね。君が過去をやり直しているのは、本当なんだね」
キュウべえは、感心しきりだった。
「……信じていなかったのね」
ほむらの返答は淡白な物だった。
17:1
2013/04/21(日) 12:44:37.38 ID:mQAtD2s70
お互いが無言のまま、数分経過。キュウべえはピクリと反応を見せた。
「その当ては外れた様だよ。あの魔女の結界に、鹿目まどかと美樹さやかが捕えられたみたいだ……」
「……何ですって?」
ほむらは目を見開く。
「……魔女に捕えられるのは、何も口づけを受けた人間だけじゃないさ。
18:1
2013/04/21(日) 12:45:10.06 ID:mQAtD2s70
まどかとさやかの目前に広がるのは、異空間と形容できる光景だった。
綿毛のバケモノに取り囲まれて、動く事もままならない。
「……何よこれ」
さやかは背筋から、冷たい汗が流れている。
「解んないよ……こんなの夢だよね!?」
19:1
2013/04/21(日) 12:46:13.01 ID:mQAtD2s70
カツン、と床を踏みつける音が、耳に飛び込む。
「危ない所だったわね……」
そう聞こえた時、黄色いリボンが二人の周囲を包み込んだ。思わず辺りをキョロキョロと見渡すと、見滝原中学の制服を着た女性が、すぐ近くに立っていた。
「……ど、どちらさまでしょうか?」
「貴女達、見滝原中学の生徒ね」
20:1
2013/04/21(日) 12:46:38.61 ID:mQAtD2s70
その中から再び姿を現すと、制服姿から変身を遂げていた。
「使い魔共、すぐに終わらせて上げるわ!!」
女性はスカートの中から、大量のマスケット銃を一斉に召喚。
大きく息を吸い込んで、集中力と魔翌力を高める。
「ティロ・ボレー!!」
21:1[saga]
2013/04/21(日) 12:47:25.61 ID:mQAtD2s70
同時に、取り囲んでいた空間が、改装中の殺風景な物に戻っていた。
「……」
まどかとさやかは、呆然と少女を眺めるしか、リアクションが取れない。
「……自己紹介が遅れたわね」
少女は変身を解いて、元の制服姿に戻っていた。
22:1[saga]
2013/04/21(日) 12:48:38.30 ID:mQAtD2s70
コツ、コツ、と床を鳴らす足音。三人は、思わず足音の主に目を向ける。
「見事な戦いね。流石はベテランの魔法少女、と言った所かしらね……」
不敵な笑みを見せながら、ほむらはそう声をかけた。
「……て、転校生!?」
「ほむらちゃん……!?」
23:1[saga]
2013/04/21(日) 12:49:23.12 ID:mQAtD2s70
マミの言葉は、尻上がりに強い物に変わって行く。更に、左手にマスケット銃を召喚して、ほむらに銃口を向けた。
いきなりの険悪な雰囲気に、まどかとさやかは呆然と見る事しか出来ない。
「……貴女、思ったより間抜けね」
ニヤッとしながら、ほむらはそう言った。この一言が、マミの神経を思いっきり逆撫でした。
一瞬の間に、右手からリボンを召喚し、ほむらに向けてリボンを投げつけた。
24:1[saga]
2013/04/21(日) 12:50:24.33 ID:mQAtD2s70
「……喧嘩売る時は、少しは相手を見た方が良いわよ? 相手に武器を向ける行為は、自分も殺される覚悟があるって事になるわ。脅す為に使うのは、馬鹿のやる事よ。
私がその気なら、貴女の脳みそに鉛弾をプレゼントしてたでしょうね……」
口元をニヤリとさせるほむらだが、その眼は全く笑っていない。
「……くっ」
意図も容易く手玉に取られ、マミの内心は屈辱を味わされていた。
25:1[saga]
2013/04/21(日) 12:50:54.12 ID:mQAtD2s70
次の瞬間、ほむらの姿は再び消え失せた。
「な……何なんだよアイツ……」
ほむらの行動と言動に、苛立ちを隠せないさやか。
「ほむらちゃん……?」
不安に駆られ、表情を曇らせるまどか。
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