5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/04/23(火) 08:33:48.07 ID:KvXHbuyeo
でも同時に、こうも思う。
憂ちゃんはいろいろ予想しつつも、どこになろうと「びっくりしました」と言ってくれるのではないか、と。
社交辞令というのに近いけれど、それとも少し違う、続く言葉を引き出す『話術』として。
自らの戸惑いを見せることで、私の思案の果ての決意を「教えてください」と言ってくれているんだ。
紬「……憂ちゃん、「景色が綺麗な場所」って言ったでしょ? 今の私にとっては、ここがそうなの」
憂「……『今の』ですか」
紬「うん、今の」
さすが、よく気づいてくれるなぁ。
紬「もちろん、そういう事情関係無しに綺麗な景色が見れるところだって自信もあるの。夕焼け、綺麗でしょ?」
憂「そうですね、とても遠くまで、よく見えます。……朝焼けは見えそうに無いですけど」
東にはここより高いビルが多少立ち並んでいるから、きっと朝焼けは見えない。
ただ、西は遥か彼方まで見渡せる。ビル街にありながら少し遠くには民家が見え、田んぼが見え、目線を上げると山々に沈みつつある夕陽が見える。
徐々に近代化が進む桜が丘の街中において、この光景はとても貴重だと思う。
だから私はここを選んだ。昨日も、そして、あの時も。
紬「……私、いずれこのビルを経営することになると思う」
憂「……そうですか。それで」
紬「気持ちはわかるでしょ?」
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