過去ログ - 商人?いいえ何でも屋です。
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82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/29(月) 16:52:46.81 ID:PYguIe1s0
上空の火竜はその速度を上げ、射撃の主を探す。
飛んできた方位からおおよその位置は特定できるもののこの広い平原の中で上空から姿を視認できないとなると
よほど注意してみなければ判別はできないだろう

「どこだ、どこに隠れてる」

注意深く地上を探るも見えない。あたりは土と草がうっそうと生える平原
そして街道のみだ。だが、1つだけ違うものが見えた。
鞍のついた馬……その上には人はいないが、間違いなく近くにいる瞬間彼の右にきらりと光るものが見えた。




「水竜や木竜なら厄介だが、自身が火竜の使い手だったのが災難だな」

ルイテルはつぶやく、先ほどまで構えていた銃を地面にうち捨てて肩に巨大な筒を構えている。
筒には羽飾りのようなものがついており、彼が使う武器にしては機能のみを追及したようには見えない
遠眼鏡越しに火竜を見つめる。

火竜はその光に気づいたのか、彼に対し攻撃の態勢をとる。
見たところ肩に構えている筒以外は大きな剣や槍も無い。
先ほどの男とは違い接近戦は得意ではなさそうと判断したロレールは好機とばかりに接近する。

「よし、もう少しだもう少し来い」

ルイテルは遠眼鏡を覗きながらつぶやく。竜との距離はおよそ4〜5km離れているだろうか
この距離なら上空から彼を見つけるのはたやすいだろう。動きからしておそらく気づいているに違いない
頭がこちらに向いている。
筒についている引き金が引き絞られた。


筒が煙を吐き出した。ロレールは煙を吐きながら飛翔する槍をハッキリと見た。
早い。だが、先ほどの攻撃とは違いハッキリと目で追うことはできる。
彼は落ち着いて竜の手綱をさばき自身に向かう槍を回避した。

「それが貴様の奥の手か!俺をコケにしてくれたことを後悔させてやるわ!」

ロレールは大声で叫ぶ、火竜は射程に入ったといわんばかりに突撃の姿勢をとる。

「三流のセリフだな、そういうセリフを言った直後にやられるというのがお芝居の相場だ」

加速を始める火竜だが、その加速は遅すぎた。
槍を避けて油断をしたのか、それとも本当に三流でその存在に気づけなかったのか。
先ほどの槍が向きを変え火竜の後方を襲う。

「何?後方!?」

爆風と火炎が火竜を襲うとバランスを崩し、高度を下げ始めた。
火をつかさどる竜である、この程度では堕ちない。遠方から見ていたアリアンノはそう確信し
不動のルイテルに対し逃げろと伝えようとする。が……

「大丈夫だ、ルイが動かねぇってことはキッチリしとめてる。竜は知らんが少なくともあの準騎士はあの爆発じゃ無事じゃねぇよ」

「でもっ、あの程度の爆風じゃ火竜は……」

「少しは信用しろよ、生身で竜を倒せる男の相方なんだぜ?」


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