過去ログ - 商人?いいえ何でも屋です。
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90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2013/08/25(日) 23:05:41.41 ID:zNbVnNgB0
「我に何か用か?小娘」

「うわっ、しゃべった」

「幾多の生物の中でも頂点たる我が人の言葉を解せぬと思ったか?」

「し、失礼しました」

「して、何用か?主を失い我が身を傷つけてはおるが、その小柄な体を八つ裂きにするなどたやすいことだが」

「えっと、あの怪我をしているみたいですしその治療を」

「これは異な事をいう小娘だな。先ほどまで自身を殺そうと迫ってきたものを助けると?」

「悪いのは人であって竜じゃありません。貴方も契約があったからあの場にいただけです」

「主を殺されたと逆上するかもしれぬぞ?」

「それをするならとっくにしているでしょう?」

「妙な娘だ、許す。好きにするが良い」

そういうと竜は目を瞑り首を横たえる。口では強気に答えているもののかなりの重傷だ。
体には小さな穴が開いているだけだが、そのうちの1つは心臓の傍にある。

「少し痛みますが我慢してくださいね」

懐から短い杖を取り出し、精神を集中する。
杖の先に光が集まり、傷口から煙が出だす。精神力と自然の力を集中し誠意力へと変換するのだ。

「待て、そのままでは少しまずいな」

「どうしてですか?」

「あまり時間が無いので手短に……と行きたいが、まずは弾を抜く必要がある」

「止めないんですね」

「竜騎士の一族が竜を粗末にするほうが看過できんさ」

「でも弾を抜くってどうやって……」

「俺たちがやろう、モンド!手伝え」

「あぁ?急ぐんじゃねぇのかよ?」

「かまわん、善行を積まんと貴様の国では地獄に落ちるんだろう?」

「ケッ、んなもんこの程度でチャラになるかよ」

「治癒術ではなく、麻酔……いや、麻痺の類は使えるか?」

「えぇ、一応ですが……」

「では痛覚を麻痺させておいてくれ」

「は、はい……」

「おそらく痛むぞ覚悟はいいか?」

竜に話しかけながらルイテルは鉈と小型のナイフを抜く。


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